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実験室X
PowerX製品とiSCSI 中級

iSCSIとは、OS(イニシエータ)とハードディスクやCD-ROMなどのデバイス(ターゲット)間のデータ転送に使用される"SCSIプロトコル"を、TCP/IPネットワークを介して伝送する技術です。

メリットとしては、データの転送はあくまで既存のSCSIプロトコルそのものを使用したものであるため、既存のハードディスクやCD-ROM、テープドライブ、ソフトウェア資産がそのまま流用可能である点です。また、ネットワーク資産も、セキュリティやネットワーク負荷の考慮を除けば、既存のネットワークをそのまま使用することで、iSCSIネットワークを構築することができます。iSCSIの技術自体は既に5年ほど前に発表されましたが、先日某社よりiSCSIターゲットとして機能するNASが発売され、にわかに話題を集めています。

今回は、リモートコンピュータ上のハードディスクを、オープンソースのiSCSIターゲットとLinuxにより、iSCSIターゲットディスクとして公開した環境を使用して、各PowerX製品でのiSCSIターゲットボリュームの認識と、製品の各機能の動作検証を行いました。

 

1.今回使用したソフトウェアとハードウェア

【iSCSIターゲット側】

  • OS: Vine Linux 4.2 (Kernel 2.6.16-0vl76.33
  • iSCSIターゲットソフトウェア: iSCSI Enterprise Target(Release: 0.4.15 )
  • ネットワーク設定: イニシエータ側と同一サブネット上の任意のIPアドレスを割り当てる
*Vine Linuxでは、iSCSIターゲット側のiSCSI Enterprise Targetのパッケージは
公開されていないため、ソースよりビルドし、インストールを完了しました。インストール後、
/etc/ietd.confを編集し、ターゲット側に内蔵のSATA HDDをiSCSIターゲットとして公開しました。

【iSCSIイニシエータ側】

  • OS: Windows Vista Ultimate 日本語版
  • iSCSIイニシエータソフトウェア: OS標準のiSCSIイニシエータ
  • ネットワーク設定: ターゲット側と同一サブネット上の任意のIPアドレスを割り当てる

 

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2.WindowsでのiSCSIターゲットの認識

Windows Vistaでは、OS標準でiSCSIイニシエータがインストールされているため、こちらを使用してiSCSIターゲットに接続します。コントロールパネルより、iSCSI イニシエータ を起動します。

  1. iSCSI イニシエータを起動し、[探索]タブ上で[ポータルの追加]により、ターゲットポータルを追加します。ターゲットポータルには、iSCSIターゲットとなっているVine Linux側のIPアドレス(またはNetBIOS名)を指定します。

  2. ターゲットポータルを指定後、[ターゲット]タブを参照すると、Linux上で公開されているターゲットの名称が表示されています。以下のスクリーンショットの場合、ターゲット名は”test5f.local:iscsinode01.tgt”になります。ターゲットを選択した後に、[ログオン]をクリックします。

  3. "ターゲットへのログオン"上で[OK]をクリックします。

  4. ログオンが成功すると、OSのディスクの管理上に、ISCSIターゲットディスクが表示されます。

    表示上はローカルに接続されたハードディスクと変わりありませんが、プロパティを確認すると、ディスク型番が"IET VIRTUAL-DISK SCSI Disk Device"と認識され、iSCSIターゲットであることが確認できます。

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3.各PowerX製品でのiSCSIターゲットハードディスクの認識結果

今回は以下の製品を使用して、iSCSIターゲットハードディスクの認識と、iSCSIターゲットディスクを対象とした機能評価を行いました。

  • PowerX Hard Disk Manager 8
  • PowerX Handy Recovery 4
  • PowerX Perfect Disk 8 Pro

  1. PowerX Hard Disk Manager 8
    アプリケーション上においては、iSCSIターゲットのハードディスクが、通常のベーシックディスクと同様に認識されることが確認できました。

    また、パーティションの作成や、既存パーティションのリサイズ等の操作を、iSCSIターゲットのハードディスクに対して実行しました。いずれの操作とも成功しており、Hard Disk ManagerとiSCSIターゲットの親和性が非常に高いことが確認できました。
    PowerX Hard Disk Manager 8 を使用した iSCSIターゲットHDDの操作の実行結果
    パーティションの作成・削除 成功
    システムディスク->iSCSIターゲットハードディスクへのディスク間コピー 成功
    アーカイブ(バックアップイメージの保存先としての使用 成功
    パーティションのサイズ変更 成功
    セクタの直接編集 成功
  2. PowerX Handy Recovery 4
    アプリケーション上においては、通常のローカルディスク・ローカルハードディスクのパーティションと同様に認識されることが確認できました。

    iSCSIターゲットのハードディスクに対して下記の操作を実行したところ、いずれの操作も成功の結果となりました。
    PowerX Handy Recovery 4 を使用した iSCSIターゲットHDDの操作の実行結果
    通常分析の実行・ファイルの復元(ターゲット上にNTFSボリュームを作成して実行) 成功
    拡張分析の実行・ファイルの復元(ターゲット上にNTFSボリュームを作成して実行) 成功
    紛失パーティションの検索 成功
  3. PowerX Perfect Disk 8 Pro
    アプリケーション上においては、通常のローカルハードディスクのパーティションと同様に認識されることが確認できました。

    iSCSIターゲットのハードディスクに対して下記の操作を実行したところ、いずれの操作も成功の結果となりました。
    PowerX Perfect Disk 8 Pro を使用した iSCSIターゲットHDDの操作の実行結果
    ボリュームの分析(ターゲット上にNTFSボリュームを作成して実行) 成功
    SMARTPlacement最適化の実行(ターゲット上にNTFSボリュームを作成して実行) 成功
    オフライン最適化の実行(ターゲット上にNTFSボリュームを作成して実行) 成功

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4.おわりに

今回の検証を通じて、PowerX Hard Disk Manager 8.5、PowerX Handy Recovery4、PowerX Perfect Disk 8 Pro の各PowerX製品とも、iSCSIターゲットハードディスクとの親和性が非常に高く、iSCSIターゲットであることを意識せずにアプリケーションが使用可能であることを確認することができました。

iSCSI対応製品の普及にともない、たとえばモバイルPCなどからリモートのハードディスクをローカルハードディスクとして認識し、リモート上のデータをローカルと同様に直接的に操作・編集するなどの使い方が一般化してくるかもしれません。今後のNASメーカーなどの動向が気になるところです。